臍帯血保管をしなかった理由|34歳で出産した私たち夫婦の体験談

妊活・子育て

こんにちは、ゆうこです。

妊娠中、妊婦向けアプリで「臍帯血(さい帯血)を保管しませんか?」という広告を目にすることがありました。
私たちもそこで初めて存在を知り、「将来、子どもに何かあったときのために保管しておいたほうがいいのかな?」と考えました。

実際に臍帯血について調べたり、産院の先生に相談したりした結果、私たちは臍帯血の保管をしないことにしました。

この記事では、私たちが調べた臍帯血保管のメリット・デメリットと、最終的に保管しないと決めた理由について、体験談をまとめます。

なお、この記事は臍帯血保管をおすすめしたり、やめたほうがいいと主張したりするものではありません。
私たち自身もかなり悩んだので、同じように迷っている方の判断材料になれば嬉しいです。

そもそも臍帯血保管とは?

臍帯血とは、赤ちゃんと胎盤をつないでいる「へその緒(臍帯)」の中に含まれている血液のことです。
臍帯血には造血幹細胞などが含まれており、白血病などの血液疾患に対する造血幹細胞移植に利用されています。

臍帯血の保管には、大きく分けて「公的さい帯血バンク」と「民間さい帯血バンク」があります。
公的さい帯血バンクは、出産時に提供された臍帯血を無償で保管し、移植を必要とする第三者の治療に利用する仕組みです。
厚生労働省のサイトによると、現在、公的さい帯血バンクは全国6カ所あります。

一方、民間さい帯血バンクは、将来自分の子どもや家族の治療などに利用する可能性に備えて、費用を支払って臍帯血を保管してもらう仕組みです。
私たちがアプリ広告で知ったのはこちらです。

なお、民間さい帯血バンクは公的さい帯血バンクとは異なり、厚生労働大臣の許可を受けて運営される仕組みではありません。
保管を検討する場合には、契約内容や管理体制などを確認する必要があります。

臍帯血を知ったきっかけはアプリ広告

私たちが臍帯血保管について知ったきっかけは、アプリ広告でした。
「さい帯血は出産時の一度しか取れない」という言葉を見て、後から後悔しないよう、しっかり調べないといけないなと思いました。

最初は「そんなに重要なものなら、みんな保管しているのかな?」くらいの感覚でした。
でも、調べてみると費用もかかりますし、実際に将来使うことになる可能性や、どのような病気に使えるのかなど、考えることがたくさんありました。

臍帯血保管のメリット

私たちが調べて「これはメリットだな」と感じたのは、主に次のような点です。

  • 将来、白血病などの治療が必要になった時に、臍帯血を利用できる可能性がある
  • 赤ちゃん自身だけでなく、条件が合えば家族に利用できる可能性がある
  • 現在は研究段階の再生医療など、将来の医療技術への利用が期待されている

特に私たちが気になったのは、「本人以外にも利用できる可能性がある」という点でした。

臍帯血は必ず本人だけが使えるものというわけではありません。
疾患や治療方法などによって条件は異なりますが、兄弟姉妹などへの利用が検討されるケースもあります。

例えば、将来の第2子のために、姫ちゃんの臍帯血を使える可能性があるなら、「姫ちゃんのための保険」というより「家族のための備え」と考えることもできます。

ただし、誰の臍帯血でも使えるわけではありません。
実際に利用できるかどうかは、病気や治療方法、HLA(白血球の型)の適合などによって判断されます。

また、民間さい帯血バンクで保管した臍帯血を利用した治療については、現在も研究段階のものがあります。
厚生労働省も、一般の保険診療として行われているわけではないと案内しています。

臍帯血保管のデメリット・気になったこと

一方で、調べていくうちに気になったこともありました。

  • 保管には費用がかかる
  • 将来、実際に使うことになるとは限らない
  • 現在の医療では利用できる範囲が限られている
  • 保管する事業者や契約内容を自分たちで確認する必要がある

特に大きかったのは、「保管しておけば安心」という気持ちと、「実際にどのくらい使う可能性があるのだろう?」という疑問の差でした。

将来の医療技術が進歩する可能性はあります。
一方で、今の時点では、一般的な治療として確立しているものばかりではありません。

また、民間さい帯血バンクは長期間にわたって保管を依頼するサービスです。
保管費用だけでなく、契約期間や契約終了時の扱い、事業者の管理体制なども確認しておく必要があります。

「子どものためだから」と勢いで決めるのではなく、私たちは一度立ち止まって考えることにしました。

NIPTを受けなかった私たちだからこそ、臍帯血保管も考えました

私たちが臍帯血保管について真剣に考えた理由のひとつが、NIPTを受けなかったことです。
その理由については、別の記事で詳しく書いています。

事前調査をしたところで、どんな結果になろうと出産する、という決意がありました。
だからこそ、「もし生まれた後に何か分かったら、そのときにできることはあるのかな?」という気持ちがありました。
なので、臍帯血保管を「将来の万が一に備えるための保険」のように考え、一度は前向きに検討しました。

ただ、調べれば調べるほど、臍帯血を保管していれば、将来の病気や障害に幅広く備えられるというものではないことも分かってきました。
そこで、「不安だから保管する」のではなく、「どのような場合に実際に役立つのか」を調べてから判断しようと考えました。

「自分の臍帯血でなくても使える」と知ったことも判断材料になりました

臍帯血は必ずしも「本人のものを本人が使う」だけではないことは、結構意外でした。

例えば、兄弟姉妹の間ではHLAが一致する可能性があり、条件が合えば臍帯血を利用できます。
なので、私たちは「第2子が生まれたら、その子の臍帯血を使って姫ちゃんの疾患を治療するような選択肢もあるのでは?」と考えました。

また、臍帯血には公的バンクという仕組みもあります。
公的さい帯血バンクでは、提供された臍帯血が第三者の患者さんの治療に使われます。

厚生労働省によると、公的さい帯血バンクには多くの臍帯血が保管されており、白血病などの特定の病気で臍帯血移植が必要になった場合には、公的さい帯血バンクから適合する臍帯血の提供を受けられる仕組みがあります。

つまり、少なくとも白血病などの造血幹細胞移植に備えるという意味では、「自分の子どもの臍帯血を必ず保管しておかなければならない」というわけではありません。

このことを知り、私たちの中では「今、自費で保管することが本当に必要なのかな?」という疑問が大きくなりました。

厚生労働省「赤ちゃんを出産予定のお母さんへ(臍帯血関連情報)」より抜粋

最終的には産院の先生にも相談しました

ネットや資料だけでは判断しきれなかったので、出産予定だった赤枝医院の先生にも相談しました。
赤枝医院に関する記事も、ご興味あればご覧ください。

先生から頂いた意見は、詳しい言い回しは忘れましたが、趣旨としては、「そのようなサービスには価値があると思う。ただ、費用もかかるものなので、積極的におすすめしてはいない。」というものでした。

この回答を聞いて、私たちは少し考え方が変わりました。
もちろん、先生が勧めない=必要ない、という単純な話ではありません。

私たちが姫ちゃんのお産に選んだ赤枝医院は、決して出産費用が安い産院ではありません。
だからこそ、そこで先生が「費用もかかるものなので、積極的にはおすすめしていない」と話されていたことが、私たちには印象に残りました。

先生の言葉から、少なくとも「余裕があるなら絶対にやっておいたほうがいい」という類のものではないのだろうと、私たちは受け止めました。

臍帯血保管にはどのくらい費用がかかる?

ちなみに、私たちが臍帯血保管について調べたときに驚いたのは、ステムセル研究所の圧倒的なシェアです。

ステムセル研究所は、現在、民間さい帯・さい帯血バンクとして国内シェア99%をうたっています。
過去の同社の開示資料を見ても、2023年3月時点で民間さい帯血バンクの累計保管数の99.0%、新規保管数の99.9%を占めていました。(※ステムセル研究所公式サイト・過去の公表資料より)

つまり、民間で臍帯血を保管する場合、実質的にステムセル研究所を選ぶケースがかなり多いということです。

公式ホームページから料金を見ると、さい帯血またはさい帯のどちらか一方を保管する「ONEホーププラン」は、10年保管で総額357,600円、20年保管で総額423,600円です。
さい帯とさい帯血の両方を保管する「Wホーププラン」では、10年保管で477,600円、20年保管で609,600円です。
※2026年8月時点の公式サイト掲載料金です。料金は変更される場合があります。

もちろん、将来の医療に役立つ可能性を考えれば、この金額を「高い」と感じるかどうかは人それぞれです。

実際にどのような病気や治療に利用できるのか、現在どこまで医療として確立しているのかを調べたうえで判断したいと思いました。

私たちが臍帯血保管をしなかった理由

ここまで調べたことを踏まえて、私たちは最終的に臍帯血を保管しないことにしました。

  • 保管した臍帯血が、将来必ず役立つわけではない
  • 現在、一般的な治療として確立されていない利用方法も多い
  • 白血病などの治療では、公的さい帯血バンクを利用できる可能性がある
  • 兄弟姉妹など、自分の臍帯血以外を利用できる可能性もある
  • 長期間の保管には費用がかかる
  • 産院の先生にも相談したうえで、必須の備えではないと判断した

そして何より、「保管しなかったら後悔するかもしれない」という不安だけを理由に契約するのは違うと思ったことが大きかったです。

臍帯血は、将来の医療に役立つ可能性があり、それ自体は魅力的だと思います。
一方で、現在確立している治療と、将来の再生医療への期待は分けて考える必要があります。
私たちはそこを整理した結果、「今の自分たちには、費用を払って保管するほどの必要性は感じない」という結論になりました。

臍帯血を保管するかどうかに正解はないと思います

妊娠中は、赤ちゃんに関することなら何でも「できることは全部やっておきたい」と思ってしまいます。
私も臍帯血保管について調べ始めたときは、「保管しておけば安心なのかな」と考えていました。

でも、調べてみると、臍帯血保管にはメリットだけでなく、費用や利用できる治療の範囲、保管事業者の管理体制など、考えておきたいことがいくつもあります。

だからこそ、広告やパンフレットを見て「子どものために必要なのかも」と焦って決めるのではなく、どんな場合に使えるのか、現在どこまで医療として確立しているのか、費用はいくらか、誰がどのように保管するのかを確認してから決めることが大切だと思います。

そして、保管することを選んでも、私たちのように保管しないことを選んでも、それぞれの家庭が納得して決めたのであれば、それでいいのではないでしょうか。

まとめ|我が家は「調べたうえで保管しない」を選びました

私たちは妊娠中、臍帯血保管について知り、一度は真剣に検討しました。
「将来の万が一に備えて保管しておいたほうがいいのでは?」という気持ちもありました。

しかし、公的さい帯血バンクの存在や、臍帯血が利用できるケース、現在の医療で確立している範囲、費用、そして産院の先生の意見まで調べた結果、私たちは保管しないことにしました。

大切なのは、自分たちが納得して選択することだと思います。

これから出産を迎える方にとって、この記事が臍帯血保管について考えるきっかけになればうれしいです。

※この記事は、私たち夫婦が妊娠中に調べ、実際に産院へ相談したうえでの体験談です。臍帯血による治療の可否や適応は病気や治療方法によって異なります。保管を検討する場合は、最新の公的情報や医療機関、保管事業者の説明をご確認ください。

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